はじめに(このサイトで何を提供するのか)

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こんにちは。「さやま茶(@sayama_ocha)」と申します。

金融機関でデータ分析業務の経験が長いこともあり、そのスキルを活かして何かアウトプット出来ないかと思ってサイト運営を始めました。データを分析することが単純に好きでもあります。

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ナンピンマーチンEAの研究

サイトタイトルの通り、このサイトのメインテーマは、ナンピンマーチンEAの研究です。

ナンピンマーチンEAは稼げるのか?

ナンピンマーチンEAを使ってみたことがある方は経験があるかもしれませんが、1日稼働すると、それなりに稼げます。10万円を原資にして、1日で1万円稼げたりします。10日稼働すれば10万円が2倍になります。ナンピンマーチンEAの勝率は、ほぼ100%と言われたりもします。

しかし、負けることがあります。その負けは、10万円の原資を吹き飛ばすような負けです。10日間で積み重ねた利益を、たった1日で飛ばしてしまいます。

そこで、原資を100万円にすれば負けないかもしれません。含み損が10万円になっても負けません。マイナス20万円になっても、その含み損を実現しなければ負けにはなりません。そのうち含み益になって、利益を得ることが出来ます。

原資100万円あれば、負けることなく、毎日1万円を100日間稼ぎ続けられるかもしれません。3ヶ月ちょっとで、100万円が200万円になるのであればかなりの利益率です。しかし、その日は訪れます。原資100万円を吹き飛ばす負けです。その日のうちに、100日間でコツコツ貯めた100万円が無くなってしまいます。いわゆるコツコツドカンというものです。

では、原資が300万円あればどうでしょう。以下、繰り返しです。

これが、一部の方にナンピンマーチンEAが敬遠される理由です。「ナンピンマーチンは使っていません!」というのが、EAの宣伝文句になったりしています。

一方で、「ナンピンマーチンEAは上手く使えば勝てる(勝ち続けられる)」という方もいます。巷で人気のEAにナンピンマーチンタイプが多いのも、勝てる方がそれなりにいるからかもしれません。

いつ負けるのか知りたい

もし、あなたがナンピンマーチンEAを使い始めたとします。そのEAには推奨証拠金が定められていて、「0.01lotで30万円」となっています。そこであなたは推奨通り、原資30万円で運用を始めました。

すると、初日は上手く稼ぐことが出来ました。1日の利益は12,000円です。1日の間でポジションを多く持つこともなく、1日の最大の含み損も1万円未満で、特に不安なく1日を終えました。

あなたは思います。「なんて素晴らしいEAだ!この調子で行けば、1ヶ月で20~30万円は安定して稼げるぞ!

そんな順調な日が2~3日続きます。30万円で始めたものが、たった数日で33万円になっています。数日で1%の利益です。

あなたはますます確信していきます。「これはいける!

しかし次の日、相場が一方的に動き、ポジションが大きく膨らみます。含み損も10万円を超えています。3万円プラスになっていたのも束の間、マイナス10万円の状態です。

あなたは少し不安になります。「大丈夫だろうか。ただ、まだ20万円以上余裕があるし。推奨証拠金で運用しているのだからきっと大丈夫だ。

その後、一方的に動いていた相場が回復します。10万円を超えていた含み損はどんどん減っていき、1~2万円くらいになっています。

あなたは思います。「よし、大丈夫そうだ。お願いだからこのまま戻してくれ!

そしてそのままの動きが継続し、あなたのポジションは含み損がなくなり含み益に。あなたのEAは無事に利確を行います。

あなたは思います。「良かった!耐えてくれた!やっぱりこのEAを信じて正解だった!

次の日はまた平和な日に戻ります。含み損は最大でも1~2万円程度で、これまで稼いだ分を下回っている限り、あなたには心の余裕があります。そんなに頻繁にEAの状況を確認することも無くなりました。

あなたはこう思います。「昨日のようなことがたまに来るくらいだったら大丈夫。安心できる。

その次の日、しばらくEAを放置していたあなたは、何時間ぶりかにスマホで状況を確認します。含み損の金額を見て、少しの間、息が止まります。

なんと、再び10万円超の含み損になっているのです。

またこんな状態になったか。ただ、前回も戻してくれたから今回もきっと大丈夫!信じて待とう!

しかしそんなに期待通りに相場は動きません。10万円ちょっとだった含み損は、一瞬のうちに15万円を超えてきました。このままでは20万円に到達しそうです。原資が30万円ちょっとしかないあなたは、どんどん不安になっていきます。

やばい・・・。どうしよう。でも、このEAを信じるしかない。一応失っても良い30万円で始めたわけだし、最悪でもその30万円を失うだけと考えたら大丈夫。元々その覚悟で始めたはず。それ以上マイナスになるわけではないんだから。

祈りを続けるあなたに、ついに相場の女神は微笑みかけます。一瞬で値を戻し、利確してポジション解消です。

良かった!やっぱりなんだかんだで、相場は一方的に動くだけではない。待っていれば必ず戻すタイミングがあるわけだから、そこまで耐えれば良いだけだ!

あなたはそんな修羅場を経験しながら、EAを始めて2週間が経ちました。順調に利益を積み重ね、30万円だった原資は40万円を超えています。

ここであなたは、EA提供者のアドバイス通り、40万円うち10万円を別口座に移します。このEAでは、利益をコツコツ別口座に移すことが推奨されています。もし破綻した時に、失う金額を原資の30万円に限定しておいた方が良いとのことです。

そして、その時は訪れます。

とある日、いつも通りあなたはEAを動かし続けて放置していました。何時間かおきに状況を確認するくらいで、ちょっとやそっとの含み損では動じないようになっています。

しかし、その日は様子が異なります。含み損は10万円から、あっという間に20万円を超えていきました。真面目にコツコツ利益を別口座に移していたあなたの証拠金は30万円しかありませんので、余力がもう10万円を切っています。

ついには、余力が2万円になってしまいました。

これはやばい。。。本格的にやばい。。でも、信じるしかない。

あなたの祈りも虚しく、この日の相場の女神は残酷です。最後の一押しで、あなたはついにロスカットになってしまいました。ゼロカットシステムが導入されている海外FX口座を利用してたので、余力がゼロになるタイミングで自動ロスカット、30万円の損失です。

少しの間、呆然としていたあなたでしたが、しばらくして気持ちを切り替えます。

今回30万円を失ってしまったけど、これまでの利益が20万円近くある。実質マイナス10万円だ。このEAなら、10日間で簡単に取り返せる。10万円追加で入金して、30万円で再スタートしよう!

1日で1万円稼げる」という利益率の良さに未練があるあなたは、簡単に諦めきれません。再び原資30万円でスタートです。

しかし、残念なことに相場はとても残酷です。再び始めたその日、激しい一方的な動きに振り回されたあなたのEAは、一瞬にしてその原資30万円を失ってしまいます

なんてことだ。。失っても良い30万円で始めたはずなのに、トータルでマイナス40万円になってしまった。。。

以上はフィクションですが、あなたにも近い経験があるかもしれません。このような経験をしたあなたは、思うはずです。

いつ負けるのか知りたい。負けるタイミングを回避することさえ出来れば、順調に稼ぎ続けられるのに。

シミュレーションが足りない

上記例の”あなた”にはよくないところが複数あります。

感情を排除出来ていない

まず、あなたはポジション(特に含み損)の状況を頻繁に確認し、その度に一喜一憂しています。これは感情の無駄遣いです。感情的になると、投資には悪影響でしかありません

ましてや、これはナンピンマーチンEAです。一定の取引ルールに従った自動売買ツールです。感情に左右されて、あらかじめ定めた売買ルールに反して、手動で決済するなど言語道断です。

中には、EAと裁量を組み合わせたハイブリッドが良いという方もいるかもしれませんが、上記例で示したような感情の動きは、良い影響は与えません。

感情を排除して、冷静にEAの動きを見守るべきです。

資金管理が出来ていない

あなたは最初に、失っても良い30万円で運用を始めています。なのに一度ロスカットにあってから、その時の感情に左右されて追加で10万円入金し、結果的に40万円を失うことになってしまいます。

投入金額を30万円と定めていたのに、実際に40万円を投入してしまった時点で、資金管理が全く出来ていないことがわかります。

例えばロスカットを起こること前提で考えるのであれば、原資の30万円を10万円ずつに3分割して、まず10万円で運用する、ロスカットしたら、次のロスカットの10万円を投入、というようにあらかじめ資金投入計画を定めておき、それでダメなら引く、という引き際も重要です。

お祈り投資法になっている

あなたは、形的にはEAを用いた自動売買で裁量決済は特に入れていないのですが、「このEAを信じる」というような発言は、根拠がない限り良くありません。EA提供者がこう言っているから推奨しているから、というのに、根拠はあるでしょうか。

上記例のEAでは、推奨証拠金が「0.01lotで30万円」という話でした。

これはおそらく、EA開発者もバックテストを行なっていて、過去一定期間(数ヶ月〜数年とか)での最大含み損が30万円以内だった、もしくは、最大含み損が30万円を超えるタイミングがかなり少なかった、等を根拠としている可能性があります。

あなた自身がその根拠を理解していないと、一時的な値動きに左右されて感情的になってしまいます。

では、どうしたら良いのか?

まず、十分なシミュレーションを行うことが重要です。

自らが使用するEAのロジックを理解し、実際に運用した場合のどのような動きをするかをシミュレーションしておきます。

例えば、原資30万円で運用した場合に、含み損が10万円を超えるタイミングは、どれくらいの頻度で起きるのでしょうか。月に1回でしょうか、それとも、月に3~4回でしょうか。

また、含み損が30万円を超えるタイミングは、どれくらいの頻度で起こるのでしょうか。それがもし、月に1回程度起こるようであれば、毎月1回ロスカットのタイミングを迎えることになります。これは積み重ねた利益を毎月吹き飛ばしてしまうようなもので、長期的には稼げない可能性が高いです。

上記シミュレーションには、データが必要です。EA提供者の中には、バックテストフォワードテストを公開しているところもあるでしょう。それを自分で分析して見ることも有用かと思います。

また、MT4やMT5のバックテスト機能を使って、ご自身でEAのバックテストを行うことも可能かもしれません。

出来るだけ長い期間、出来るだけ具体的に、EAがどのような動きをするのか、十分にシミュレーションしておくことで、EAを実際に稼働している時に起きる事象を冷静に捉えることが出来るようになります。

例えば、含み損が30万円を超えるような動きは、2年に1回程度して起きていないので、今回起きたとしても、また次に起きる可能性は低いだろう、等です。

これも絶対はあり得ないのですが、可能な限り、統計的、確率的にデータで分析しておくことが実運用上の感情面資金管理面での助けになります。

このサイトで何を提供するのか

以上を踏まえ、このサイトでは以下の情報を提供していきたいと考えています。

損益データ分析記事

ナンピンマーチンロジックで損益シミュレーションを行なった結果を詳細にデータ記事として公開しています。

単純な損益サマリー最大含み損だけでなく、ポジションを持つために必要な証拠金も考慮した最低必要資金全ての取引履歴(エントリー注文の価格・時間、クローズ注文の価格・時間)を載せています。

また、使用したモデルのロジックについても、具体的に詳細を公開しています。

ナンピンマーチンEA、非ナンピンEAの提供

作成したナンピンマーチンEAおよび非ナンピンEAについて、以下からダウンロード可能にしています。

ナンピンマーチン考察

上記の損益データ分析、その他も考慮して、ナンピンマージンのロジックについての検討EAの使い方資金管理面での戦略等について考察していきます。

巷で言われていることについて、実際にデータで検証することも考えています。

FX自動売買ツール(EA)の作り方

MQL4およびMQL5を用いて、ナンピンマーチンEAを作成する方法をご紹介しています。

コードについて詳細に解説していますので、初心者の方でも是非EA作成にチャレンジしてみてください。

また、FXの自動売買というと、MT4やMT5で使用されるMQL4やMQL5という言語で構築したEA(エキスパートアドバイザー)がメジャーかと思いますが、MT5ではPythonのAPIが正式に提供されていて、PythonでMT5にアクセスして自動売買というのが比較的簡単になっています。

このブログの損益データ分析記事も、基本的にはPythonで作成したモデルでバックテストやフォワードテストを行なっています。Pythonの方が、取引詳細データの管理やその後のhtml変換、グラフ作成が容易だからです。

FX自動売買と機械学習

また、Pythonであれば機械学習の実装もしやすいです。ナンピンマーチンと機械学習を組み合わせたモデルの開発等、発展性も期待出来ます。

以下の記事では、PythonでFX自動売買ツールを作成する方法をご紹介しています。

さらに以下の記事では、LightGBMというモデルを用いたFX自動売買における機械学習の実践的な活用方法をご紹介しています。

AIでプログラミング

チャット型AI(ChatGPT)を用いて、EA開発に役立つかを検証してみています。徐々に記事を充実させていく予定です。

さいごに

ここまでお読みいただきありがとうございました。

徐々にデータを充実させていきたいと考えていますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

何かあれば、お問い合わせからご連絡お願いいたします。

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