この記事では、勝率50%のEAでも、キャッシュバックサイトを利用して安全に利益を積み重ねることが可能かどうかを検証し、その結果を考察します。
以下の流れでお送りしますので、是非最後までご覧ください。
- 10年間で勝率が50%程度のEAを用意します。
- バックテストを行なって残高が大きく減らないことを確認します。
- キャッシュバックによる利益がどれほど発生するか計算します。
キャッシュバックサイトとは
海外FXのキャッシュバックとは、取引を行う際にブローカーに支払う手数料をトレーダーに還元することで、実質取引コストを大幅に圧縮することができるサービスになります。
キャッシュバックサイトが用意したリンクから口座開設ページにアクセスし、口座を開設すると、その口座はキャッシュバックサイトに紐づいた口座になり、キャッシュバックが発生するようになります。
例えば、TariTali(タリタリ)というキャッシュバックサイトの場合、以下のページの「新規口座開設」からXMTradingの口座を開設すれば、その口座がキャッシュバック対象口座になります。
キャッシュバックを受け取るための注意事項
以下、TariTali(タリタリ)経由でXMTradingの口座開設した場合の注意事項を引用しておきます。
キャッシュバック口座でリベートを受けるには、以下の条件があります。
- 5分以内に決済したポジションはキャッシュバックの対象外
- クレジットボーナスを利用した取引はキャッシュバックの対象外
- 口座開設ボーナスおよび入金ボーナスは対象外
- 友人紹介プログラムとの併用は不可
キャッシュバック口座では、開設時に「口座ボーナスの受け取りを希望します」を選択しても、口座開設ボーナスと入金ボーナスは受け取れませんのでご注意ください。
ただし、ロイヤルティプログラム(XMP)やコンテスト賞金などのボーナスは発生します。
勝率50%のEA(ベースモデル)
まずは、勝率が50%程度のEAを用意します。ここでは、ACB-EAと呼ぶことにします。
トレード戦略
このEA(ACB-EA)のトレード戦略は以下の通りです。(非ナンピン型EAです。)
- MAとDMIというテクニカル指標を使って売買タイミングを判定します。
- 利確幅とロスカット幅はATRを基準に定めます。
- 利確幅とロスカット幅はほぼ同じにしていますが、勝率50%でも損益がプラスになるように少しだけ利確幅のほうが大きくなるように設定しています。
- buyポジションおよびsellポジションそれぞれで同時に最大2つまでポジションをとりますが、それぞれのポジションは独立に利確とロスカットを行います。(ナンピンではなく、2つのトレード戦略が並行して稼働するイメージです。)
このACB-EAのパフォーマンスは以下の通りです。
バックテスト設定
銘柄: | GBPJPY | |||||||||||
期間: | 10年6ヶ月 (2013.01.01 – 2023.6.30) | |||||||||||
通貨: | JPY | |||||||||||
初期証拠金: | 100万円 | |||||||||||
ロット数: | 0.01固定 |
バックテスト結果
パフォーマンス分析
- 10年半で総損益は71,403円です。残高最大ドローダウンは60,897円です。
- 取引数は4,583回、勝率は50.05%です。
グラフをご覧になって視覚的に分かるように、10年間で勝率が約50%ですので、勝ち続ける時期もあれば負け続ける時期もあり、期間の切り取り方によってはパフォーマンスが50%以下になってしまうこともあると思います。ただし、長期的に見て、取引数を重ねても収支がプラマイゼロか、ややプラスを目指すというのが今回のモデルの役割です。なぜなら、取引回数を重ねてキャッシュバック収入を得るというのがこの戦略の目的で、残高が極端に減らなければ良いからです。その条件は十分に満たしているとして、このACB-EAをベースに話を進めます。
キャッシュバック金額の試算
さて、上記でご紹介したバックテストでは、4,583回の取引がありました。この場合のキャッシュバック額はいくらになるでしょうか。
前提として、XMのKIWAMI極口座を以下のキャッシュバックサイトから開設した場合で考えてみます。
上記サイトによりますと、GBPJPY#のオートリベート口座におけるキャッシュバック率は4.5USDです。これは単純に、1ロットあたり4.5ドル(0.01ロットあたり0.045ドル)と考えて良さそうです。
また、ドルを円に換算するFXレートは、1ドル=140円としますと、0.01ロットあたり6.3円のキャッシュバック収入という計算になります。
従って、全てロット数0.01で4,583回の取引であれば、6.3円 × 4,583回 = 28,873円のキャッシュバック収入が得られるという試算です。
以上を踏まえ、リカバリーファクターまで計算して比較してみます。
キャッシュバック: | なし | あり | ||||||||||||||||||||
総損益(キャッシュバック収入なし): | 71,403円 | 71,403円 | ||||||||||||||||||||
キャッシュバック収入: | – | 28,873円 | ||||||||||||||||||||
総損益(キャッシュバック収入込み): | 71,403円 | 100,276円 | ||||||||||||||||||||
残高最大ドローダウン: | 60,897円 | 53,306円 | ||||||||||||||||||||
リカバリーファクター: | 1.17 | 1.88 |
キャッシュバック収入が総損益の40%程度ですので、単純に総損益が1.4倍になるような結果になっています。リカバリファクター(残高最大ドローダウン÷総損益)も1.17から1.88まで改善しました。
損益グラフ
続いて、損益グラフも確認してみます。キャッシュバック収入がない状態とある状態の比較も行います。
総損益(キャッシュバック収入なし)
キャッシュバック収入
総損益(キャッシュバック収入込み)
まとめ
改めまして、この記事で確認した内容を振り返ってみます。
- 10年間で勝率が50%程度のEA(ACB-EA)を用意しました。
- バックテストを行なって残高が大きく減らないことを確認しました。
- キャッシュバックによる利益がどれほど発生するか計算しました。
なお、今回のバックテストは「並行注文数=2」の設定で行いました。10年半の期間で4,583回の取引数でしたので、平均して1日1回以上の取引数になります。この並行注文数を増やしていけば、もう少し取引数を増やしていくことが出来そうですが、その分だけ同時に保有するポジションが増えるためリスクが高まります。許容リスクを考えて上手く調整する必要があります。
また、今回のバックテストでは初期証拠金を10万円、ロット数を0.01と想定して行いましたが、結果として残高最大ドローダウンは6万円程度(キャッシュバック収入を考慮しない場合)でした。つまり、例えば初期証拠金を100万円として場合は、ロット数を10倍の0.10とした場合でも最大損失は60万円程度で耐えられる計算になります。キャッシュバック収入含め損益も10倍になる計算ですので、100万円の利益も獲得可能です。
ACB-EAのダウンロード
今回使用したACB-EAは以下からダウンロード可能です。具体的な使い方も以下のページで詳しく解説していますので、是非あわせてご覧ください。